トーレス・サングレ・デ・トロ・ブランコ 温かみのある澄んだ淡いレモン色。 フレッシュなリンゴの香りとシトラスのコンビネーション。 白いクローバーの花。 口に含むと、突き抜けるような酸味。 でもなぜか不快感はなく、極僅かに感じる程度の微発泡が優しさを届けてくれる。 花々の蜜というよりはみずみずしくフルーティーな甘み。 フルーティーな風味と辛口のキリッとした印象を兼ね備えていながらも、優しさ溢れる味わい。 グラスに注いで常温に戻すと芳醇な白ぶどうの香りに包まれる。 時間経過によって味わいの変化を感じられ、一本で数本分のワインを楽しめたような気分。 「白いノースリーブのワンピースを着た少女は、さらさらと長い髪を春の風になびかせている。 バスケットにりんごをしのばせて、花冠を編むためにいつもの草原へとやってきた。 あたりにはクローバーがあちらこちらに咲いている。 慣れた手つきで花冠を完成させると、頭に乗せて微笑んだ。 風がさっきよりも冷たく感じる中、喉の渇きを癒しに泉へと向かう。 底にある綺麗な小石まで見える、とても澄んだ泉。 この石を持って帰りたい、そう思うと少女は風が冷たいのも忘れて裸足を踏み入れた。 手にした小石はまるでシーグラスのような透明感に溢れている。 掌にのせて眺めていると次第に乾きはじめ、透明感はマットな質感へと変化する。 風はいつの間にか暖かく、春の柔らかな陽射しが白い肌を照らす。 どこか切なく、懐かしくも優しい雰囲気の中、ふと思い出しバスケットのりんごを一口かじって喉の渇きを癒した。」

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