エチケットから只者では無い予感がし、それは徐々に剥がれるベールから姿を露わにした時、その凄さを目の当たりにします。 先ずは、その全貌。きめ細やかな泡が注がれ踊りだすと、柑橘系、もっと言えばグレープフルーツがパーンっと弾けた様な香りを放ちます。 そして淡く上品な黄金色の液体は徐々に落ち着き、口に含まれる瞬間をじっと待っているかの様。 舌と相まった時、繊細に微小に刺激を与えるも、口の中を優雅に羽ばたきます。喉越しに来るほのかな苦味は、食前酒に相応しく料理の邪魔することなくフワッとその存在を消していきます。 もう一度その姿を追うべく一口、また一口と進み、取り残された空の瓶を見て気付きます。なるほど、瓶の中にひっそり姿を隠していた妖精の魔法にかかっていたんだと。 やられた…

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